お掃除ロボット と 母

2022年1月に50年近く住んでいた海岸に立つ家を
立ち退きで手放し、新築が完成するまで
仮住まいに入居3か月。そして、新しい家に
80代で移り住んだ後の母は、ご近所の友達も無く、
自分の行きたいところに行くこともできず、
デイケアの日が唯一の楽しみになりつつあった。

デイケアに通わせるための手続きよりも、
行きたがらない母をあーだこーだとなだめて、
本人のプライドを大切にしやる気を引き出してみる。
説得することを何十倍も苦労した。


今日は、母の気持ちを察する前に、苛立ってしまった
反省の出来事を書きます。

目次

掃除機ルンバ買った。

引っ越して1か月がたったころ、
少しづつ自分の仕事を入れ始め母を、一人で
お留守番させて外出していくようになれた頃。
家に帰ったら玄関先で涼んでいる母が小さな声で

掃除機ルンバ買った。

とぼそっと言った。

2世帯住宅なので、家の管理仕事は2倍。
掃除。洗濯。その他もろもろ。
毎朝6時には、洗濯機のスイッチオン。
ほうきをかける。
トイレを掃除する。
母を散歩に連れ出す。
母の朝ごはんの支度。
相方のランチボックスを用意。
相方を見送ったら、洗濯を干す。
母に朝の薬を飲ませる。 
デイケアの日は、身支度をさせる。
自分の身支度は、最後。
10時までには、デスクワーク開始が目標!

くずる母をなんでくずるのか理由も
聞く余裕さえない日が続いて中の帰宅直後の

掃除機ルンバ買った。

瞬間的になんでよ!本気ですか!?
と苛立ってしまった。母屋の玄関を開けると
ルンバのまだ未開封の箱がおいてあった。
そういえば時期が引っ越しシーズンだった
せいか、TVからルンバの通販が頻繁に流れ
ていた。

お母さんなんでルンバにしたの?

新しい掃除機買いに連れて行ってと
言われてたけど、

忙しいから行く時間ないし、いらないよ。

と返しつづけてほうきで床をはいていた。
兄が仕事休みでいたので連れて行ってもらえたらしい。
ドア開けるとそこにはルンバの箱が鎮座していた。

おにぃちゃん、ルンバ使えないよ。
お母さんなんでルンバにしたの?

声が大きくデてしまった。
母にも聞こえてしまった。

返してくるからアキオ(兄)連れて行って。

兄は仕事の準備で手がはなせないから、
別の日にという。
母が泣きそうな細い声で

お願いだから連れて行って。

と何度も懇願させてしまっていた。
私は、情けない自分が悔しくて見えないように涙をふいた。

私が、行くから車に乗って。

ルンバを車にのせ母を乗せて出発。
なんでルンバにしたかはきかない。
購入した店舗で返金手続きして
別のを一緒に検討する。
長い距離歩けない。
立っていられない。
椅子を借りた。
一通りみて、 軽さ、吸引力重視
で絞り込み、母に手に持たせ試させる。

こっちがいい。

すぐ決まった。
シャープ RACTIVE Air EC-AR7。
自宅の建築中、友達が購入した掃除機ロボ
にひとめぼれしてほしかった製品があった。
けど引越し後断念した。

母が古い家具を手放さないのと物を片付けられないから。
お掃除ロボットは、性能を発揮できない環境だから。

帰り道母の表情が落ち着いたので聞いた。

掃除機いらないって言ったのに
なんでルンバにしたの?

お前が忙しいとしかいわないから。

引越して日常生活が戻って後
私の外出が増えた。ついて行きたがる。
もちろん、連れてはいけない。
一人でお留守番をさせていた。

掃除機ありがとう。


兄は、
ルンバ が ほしい としつこくいうから
それにした。

と言った。

早朝6時前から家事をして

今忙しいから

と言ってる私の為だった。
繰り返し流れる通販をみて 

『ルンバがあったら洋子が楽になる。
どこかに連れて行ってくれるかもしれない』


と思いついて、私が留守の日に兄にせがんで
サプライズで買いにいったのだろう。
私の喜ぶ顔がみたくて、玄関先で待って
いてくれたのだった。それなのに、私は

お母さんマジですか!? 使えないルンバ買う?

と苛立ってしまった。本当に情けない娘だ。

購入翌日。
相方が組み立て充電が終わった新品の
スティック掃除機をかける。
聞こえるように

軽いし掃除が楽だね〜。
自分の部屋やってみて。

杖をつきながら喜んで掃除機をかけた母。
仮住まいに行ってから全く掃除を
しなくなっていた。
もちろん新築でも。久しぶりに見た姿。

これほんと軽いね。
お母さん。掃除機ありがとう。

忙しいと口にしたくないけど、
夕方19時のスーパー買物散歩までは
できるだけの仕事をする。
17時後は、家族との時間。
母は、どこでもいいから外出したいの
だろう。
その為に、少しでもかまってほしくて
ロボット掃除機を買ったのだろう。
できるだけのことは精一杯やってる。
17時後はできるだけパソコンもスマホも
触ってないから。お母さんの為だよ。
イライラもワジワジもしてないよ。

お母さん。掃除機ありがとうね。
毎日は無理だけど、時々海へ散歩にもお買い物にも行くからね。

毎朝ほうきをかける。

余談ですが、なぜ私が毎朝ほうきを
かけていたかと言うと、


小さい頃の朝の音。
それは、母がほうきをかける音でした。

サッサッサッ~

リズムよく続く音。
おかげさまで、県外で一人暮らしを
はじめてから自然と朝の掃除習慣は
ついていた。

「朝の5分は大きい。」
「朝はちょっとでも長く寝ていたい…」

わかりますその気持ち。朝から掃除なんて
考えられないかもしれませんね。
でも何十分も時間をかけるのではなく、
ほんの5分・10分程度なら

ちょっと頑張れそうじゃないですか?
毎日5分だけでもできる範囲でさっとやれば、
いつもきれいで快適なお部屋になります。

私は、母の姿を見ていたおかげで、
朝の掃除習慣でお部屋も気持ちもスッキリ。
やれと言われたことは、記憶に無い。
自然と真似して習慣化できていた。

ほうきをかける。
トイレの便座にブラシをかける。

確かに朝の5分は大きいですが、
朝からお部屋をきれいにできれば、
帰宅後や週末の負担が減ります。
何より、1日のスタートにお部屋をきれいに
できるというのは、とっても気持ちがいいもの。

朝からお部屋をきれいにできれば、
気持ちもすっきり。帰宅後きれいな
部屋に帰れるのは嬉しいですよね。
無理のない時間でさっと終わらせてしまうのが
継続のコツかと思います。
皆さんもまずは1分から始めてみてはいかがでしょうか?

毎朝ほうきをかける(掃除をする)

母から受け継いだ良いかげんの習慣です。
お母さん。良いかげんのお掃除習慣ありがとうね。

最新型のスティック掃除機のおかげで
母とのおしゃべり時間ができました(笑)

最後までお読みいただきありがとうございました。
笑ってもらえたなら本望です。
このカテゴリーでは、家族介護について思いつくままに書いて、
思考の整理整頓しながらストレス発散します(笑)
出来事に嘘はありませんが、そのまま書くと辛いだけなので、
その時は苛ついてしまっても、母へありがとうの気持ちと私の家族も読まれる皆様も笑顔になれるように書いています。考え方を変えて感謝の気持ちをもつことで、幸福度も自ずとアップし、ポジティブな思考で過ごす行雲流水の日々です。


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